学部生の方へ

なぜ我々は表面を研究しているのか?そもそも表面って何?そんな質問にお答えしましょう。

表面とは何か? 

 大学の講義でもあまり馴染みのない表面。表面とは何か?まずは右の図を見ていただきたい。

この図は固体の断面図になっています。図に示す黄色の領域のように固体において3次元的な結合を持つ原子の塊を「バルク」と言いいます。それに対して緑の領域を「表面」と言います。
 これまで研究されてきた材料はこのバルクを対象として行われてきました。このバルクと表面はどう違うのか?右図のバルクと表面を比較してみると、バルク中の原子は3次元的な結合によって結合の手が飽和している状態になっていますね。一方で表面では3次元的な結合ではないので結合の手が余ってしまいます。このように結合が不飽和な表面では表面を構成する原子の再配列や偏析が生じ、表面の構造や組成は固体内部のバルクとは違ったものとなります。この表面特有の構造を反映して、その諸物性は固体内部であるバルクとは異なるものを示すことがあります。よって表面は非常に特異な系であると言えます。

なぜ表面を研究しているのか?

表面が非常に特殊であることはわかっていただけたかと思います。そこで我々はある結晶性を持ったバルクの表面上に異種原子を超高真空中で蒸着させることにより異種原子による酸化物超薄膜、金属薄膜など様々な単原子層膜を作製し、その物性を原子レベルで評価することで新たな材料のきっかけになるのではないかと考えました。なぜならその単原子層膜は下の図に示すように表面と同様、結合の手が余るので異種原子のバルクにはない物性を見出す可能性を秘めているからです。このように材料をより低次元に近い状態に適用することは非常に興味深いことだと思いませんか??

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名古屋大学大学院工学研究科 エネルギー理工学専攻 エネルギーナノ物質創製グループ